ラダック・ザンスカール 旅の記録 09




 2019年8月7日、プクタルのゲストハウスに到着してすぐ、寺院を目指して歩く。
 崖の上に蜂の巣のように作られた寺院。標高は3600。登っていくだけで息が切れる。


 崖を滑るように子供たちが降りてくる。子供のラマだとガイドが言う。
 





 崖を登り、建物の中に入る。石で積み上げられた建物。70人のラマがここで暮らしている。







 プクタルゴンパの洞窟。
 15世紀初頭、チベット仏教僧侶Jangsem Sherap Zangpoがこのゴンパの創始者。Jangsemはこの洞窟で泉の力を使って種の成長の速度を早め、樹に変えたという伝説がある。その樹が洞窟の真上に今もある、という記述を、旅の前に知った。



 プクタルの意味、プクは洞窟、タルは解放。解放の洞窟、と言う意味になるらしい。
 洞窟の手前の部屋にはお堂があり。壁には古い壁画が描かれていた。撮影は禁じられている。




 扉の前に座る少年の姿が綺麗で、写真を撮らせてもらった。恥ずかしそうにこちらを見ていたので、気にしないでいいと言う。緊張が見られる。私が声をかける前の彼は、写真よりも力が抜けていて、穏やかだった。何を思って眺めているのだろうと思った。
 この寺院に学校が開かれたのは90年代。村の農家の子供たちで、無償で教育が受けられる。8年制。小さな子供も英語で話しかけてくる。「あなたはフランス人ですか?」「じゃあ、中国人?」日本人だと言うと、「あー」とうなづく。「日本人は、なに人?」と尋ねる子供もいた。一人一人の個性が、可愛らしかった。

 ゲストハウスで、ガイドのギャツォが夕食を作ってくれた。
 日本人男性のうち一人と一緒に食べる。もう一人の連れの男性はどうやら高山病にかかったらしく、部屋で休んでいると言う。高山病の薬を持って彼を訪ねると、自分でも持ってきているが副作用が怖くて飲んでいないと言う。今すぐ飲んだ方がいいとすすめる。顔が真っ青だった。酸素ボンベを町のゲストハウスに置いてきたのが悔やまれた。
 元気な方の男性は、ゲストハウスの部屋の匂いについて話していた。以前は外にトイレがあったと聞いていたが、崖の近くに建てられているので夜が危なく、各部屋にトイレが作られたのではないかと私は話した。確かにすごい匂いだ。現地の家の構造では部屋にトイレは作られてはいない。管理すラマたちも大変だろうと思う。ガイドのギャツォは外でテントを張って眠っていた。私もそっちがいい、そう思った。贅沢な。来れただけでもありがたいと思え。夕方、ハーブを摘んできて、鼻の下に置いて眠った。

コメント

人気の投稿