【YOGA】ラージャヨーガ 3年間の修練段階

 


変化には、人それぞれ段階がある。変化の段階は今までの過去生で積んできたカルマによって決まることだということは分かってきたのだけど、霊的な道を行く人にとって、自分が今どの段階にいるのかという疑問は多くの人に起こることだと思う。またどのような段階を踏めばいいのか、私自身もとても興味のあること。そこで、今わかることをまとめてみようと思う。

ここ最近手にした本で、「魂の科学」スワミヨーゲンシヴァラナンダ著の本に、この解脱への段階が書かれている。著者が教えるラージャヨーガは3年間という期間で解脱の境地に導くものとしている。これはアシュタンガヨーガの8段階のヨーガ行法(パタンジャリのヨーガスートラ)の4段階目からの行法と類似。


【ラージャヨーガ1年目】

少なくとも2時間は身体を動かすことなく座り続けることができなければならない。調気法も完全に修得せねばならない。

1.制感行法
外界にある物事によって感覚が左右されないように感覚器官の働きを抑制し、思考と想像の働きを抑制できるようにしていく。

2.精神集中行法
身体内の内的心理器官や外界の一つの物事にのみ精神を集中し続けられるようにする。

3.瞑想行法
身体の粗雑な部分である食物鞘に向かって瞑想をほどこす。有尋三昧の境地。この境地は対象物を認識するための一つの段階。

4.クンダリニーの覚醒
クンダリニーを活性化させ、背骨の中を通っているスシュムナー管の上にある6つのチャクラの中に入っていく。身体内の精妙な知識を得る。

5.生気鞘に関する知識を得る行法
有尋三昧(クンダリーニの覚醒時に達する境地)の中で食物と生気の両鞘(コーシャ)を区別できるようになってくるが、この段階では生気(プラーナ)に関するあらゆる知識を直覚しうるようにならなければならない。


【ラージャヨーガ2年目】

1.後頭部の空間ブラフマランドラに入る行法。
瞑想をさらに深めていくと、有想三昧の境地に入ると、ブラフマランドラ内部にある意識鞘と理智鞘を霊視できるようになる。共に両鞘の関係をも霊視できるようになる。

2.意識鞘内にて(霊視する内容)
ここでは有想三昧の境地にあって、内的心理器官の一つである意思を霊視し、さらに知覚器官と運動器官とそれらの機能、また、それら感覚器官との間で情報の授受を行う意思の機能といった事をも霊視せねばならない。

3.理智鞘にて(霊視する内容)
ここでは有伺三昧の境地に入り、意思(マナス)と理智(ブッディ)が互いにどのように働きあうかを霊視せねばならない。それと同時に、粗雑元素と微細元素とはどういうものであるか、ということも霊視せねばならない。

4.微細体に関する知識の獲得
微細体は意思鞘、理智鞘それに五種の微細元素から成る球体からから形作られており、後頭部にあるブラフマランドラに納まっている。ここではこの微細体とその機能、それにこれらの機能をいかに制御するか、また、その制御の結果どういったことが生じてくるのか、ということを霊視してゆく。

5.粗雑次元の世界の霊視と微細次元の世界の霊視
次の段階では、粗雑次元の世界とそれより精妙な微細次元の世界とを霊視すると共に、こうした世界の知識をどのように得たらよいのか、また、微細体を通して微細次元の世界をどのように知りうるのか、といったことを霊視してゆく。


【ラージャヨーガ3年目 】

最後の3年目になると、原因体と歓喜鞘についての知識を得ることができるのだが、この知識の中には、真我とその居所についての知識も含まれている。また、真我を知るということは、すなわち、ブラフマン(創造主)をを知ることにもなる。

1.心臓内部へ入る
ここではまず、有伺三昧と無伺三昧の境地に入り、そこで原因体、すなわち歓喜鞘を霊視せねばならない。この歓喜鞘は微細生気、我執、心素、真我、根本自性、ブラフマン、といった6種の構成要素によって創りあげられている。

2.原因体を創りあげている6種の構成要素の相互関係(を霊視する)

3.無想三昧(の境地に入る)
この無想三昧に入れば「行」(サマスカーラ)の活動を弱めて働くことができぬようにさせることができる。

4.完全なる離欲の境地に入る
この境地では、善性(サットワ)、動性(ラジャス)、暗性(タマス)という3つの徳性からの影響を受けなくなる。そして、これら3種の徳性の影響を超越するまでは、真我はこの世の諸々の出来事に縛り付けられたままになっているとも言える。

5.ブラフマン(創造主)に合一し、自己本来の性質に安住する


本に書かれている内容を整理しただけのものですが、鞘(コーシャ)と”なんとか”ボディーなどと(””の中にエーテル、アストラルなどが入る)呼ばれるものが全く同じではないですが(インド哲学の方が細かく、また関連性もよく示されている)類似するものではないかと思います。
この世界、エーテル界、アストラル界、その上の階層を理解することと同時に、その階層とリンクしている意識(ボディー)について霊視していくこと、それらを通って三昧と呼ばれる各境地に達していくことが解脱への道だということを、この本の3年間の道筋では理解できます。
しかし著者は最後にこう付け加えています。

これは非常に優秀な求道者の場合であって、中程度の資格を持つ者の場合は、一つの鞘の知識を得るのに一年はかかるでしょうから、最後の段階に達するまで5年はかかるわけです。それ以下のものの場合は、修行が成就するのに何年かかるか明言するのは不可能です。
スワミ・ヨーゲンシヴァラナンダ著 「魂の科学」より

2012.2.4

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